”おととしの参院選は違憲状態” 最高裁


◆今日は最高裁判所の裁判傍聴に行って来ました。それも,大法廷。
最高裁判所の判決は基本的に裁判官5人による「小法廷」で行われ,15人全員による大法廷が開かれるのは年に3回前後しかないので,折角のチャンスということで学校の友人と足を運んだわけです。

開廷は15時で,14時頃から抽選があるとのことだったので,14時頃に永田町に到着。既に整理券が配布されており,僕が貰ったのは154番。


この番号で抽選に臨み,当たりを引けば晴れて傍聴券をもらえるというわけです。
今日の法廷は判決の言渡しだけなので,弁論が開かれるわけでもなく聴いて面白いもんじゃないです。そのせいか,傍聴席が155席ある中で整理券を求めて並んだのは159人。抽選に外れるのは4人だけです。僕も友人も無事「当たり」で,中に入ることが出来ました。



中に入るとまず,貴重品・筆記具・傍聴券を除いてすべての荷物をロッカーに預けるよう指示されました(携帯電話も)。筆記具を持っていかなかったのは失敗だった。
で,空港にあるアレみたいな金属探知ゲートをくぐらされる。厳重ですね。

その後ようやく傍聴席へ。僕の席は最後列でした。
大法廷の中に入ると,何というかラスボスの部屋の1個手前みたいな感じでした。暖色の照明に,音を吸収するような材質の壁。裁判官が座る椅子が横に15席並んでいて,傍聴席の椅子も高級そうなふかふか感。部屋自体は底面が正方形の角柱の形なんだけど,天井部分はさらに円柱状に空洞が広がっていて,高級感と荘厳さが満ち満ちてた。

廷吏?の方が諸注意を読み上げ,いよいよ開廷です。
作りは簡素ながら重厚な雰囲気のある奥の扉が自動で開き,裁判官がずらずらと入廷。裁判官の入退廷の際は起立するという慣行があります。ちなみに,任期の長さ順に並ぶらしい。実は僕,最高裁判事就任前の山浦裁判官の講義を受けたことがあるんですよね。あの時は弁護士をなさっていたけど,まさか最高裁まで出世するような人だと思わなかったな・・・。確かに授業は面白かったけど,普通の陽気なおじいちゃんって感じだったし・・・。笑
入廷すると最初の2分は取材用の撮影タイムで,大量のシャッター音が聞こえる(フラッシュは禁止)。僕の真後ろでもパシャパシャ。

で,いよいよ判決の言渡しですが,これは極めて事務的で,主文と理由の要約だけであっという間に終わりました。あっけなかったなー。笑

まぁ,面白い体験でした。詳しく記録しておきます。


◆判決自体は上告棄却(原告側敗訴)というあっけないものなんですが,「違憲状態」との判決を得た時点で実質的には原告側の勝ちです。
最終的な請求は「参院選の選挙無効」=選挙のやり直しを求めていたわけなんですが,仮に違憲状態ではなく「違憲」判決が出たとしてもやり直しが命じられることはまずなかったでしょう。まぁ実際選挙のやり直しなんて誰も望んでないよね。笑

ちなみに「違憲状態」というのは「このままずっと放置するようなら『違憲』だよ,さっさと法律改正しなさいよ」,という意味です。
ただし,今回は裁判官3名の反対意見が出されていて,「判決は『違憲状態』って言ってるけど,オレは『違憲』だと思うよ」と述べています。反対意見が出されても形式的には何の効果もないですが,過去ずっと最高裁が「もっと1票の格差を是正すべきだ」と言ってきたのに,国会がこれをずっと放置してきたことに対して,最高裁はブチ切れる寸前なんだよ,と捉えていいでしょう。 近いうちに法改正が行われなければいけないという状況になったわけですね。 

まぁぶっちゃけ対して事件には興味無いですけど,一応たまには法学徒のアピールをしときたいなと思ったのと,僕自身こういうレポート記事が好きなのとで長々とブログ書いてみました。
今度は普通に地裁とかに傍聴に行こうかな。

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