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音楽の話がメインの日記帳です。

 先日、Twitterで「2014年下半期に聴いたベスト・アルバム15」をツイートしました。6月にツイートした「上半期に聴いたベスト・アルバム15」とあわせて、通年のベスト・アルバム30枚を選んでみました。
 ちなみにこちらのブログでまとめ直した上半期ベストの記事はこちら(前半)こちら(後半)


30. Prince “Art Official Age” [Warner Bros.]
prince 
 プリンスのファンのくせに、アートワークが本当にキモチワルくて受け付けず、年の瀬までニューアルバムをスルーしていたのですが、周りの評判に背を押されるように購入しまして・・・やっぱこの人最高だな~とそんな感じです。もはや奇声のようなトレードマーク的ファルセットを擁する、超絶泣きバラードの#3「Breakdown」が一番好き。
 


29. Eno / Hyde “High Life” [Warp]
Eno-Hyde
 ブライアン・イーノ御大とアンダーワールドのカール・ハイドによるコラボ作、今年2枚目。1枚目の方も十分アフロビートだったけどもこちらのほうがガチ。何より、十分にポップ・アルバムとして聴けた1枚目と比べて、こちらの偏執的・呪術的ですらある音像のカッコよさにやられました。#2「DBF」の後半、リヴァーヴが深まってまるで洞窟の奥から響いてくるようなポリリズムの魅力ときたら!



28. 坂本慎太郎 “ナマで踊ろう” [Other Music / Zelone]
shintarosakamoto 
 これだけ強烈な歌詞を書かれると良くも悪くもそっちのほうにばかり注意が向いてしまうわけですが、ちゃんとインストver.も別ディスクに付けてくれるところがサービス良いですね。いやいや、そういう話ではなく、とにかく抗えない気持ちよさ。
 


27. Gazelle Twin “Unflesh” [Anti-Ghost Moon Ray / Last Gang]
gazelle twin
 イングランドはブライトンから、Elizabeth Bernholzという女性ミュージシャンによるエクスペリメンタル・エレクトロ・ポップ。いつもこの青いフードとストッキングとウィッグを被ったビジュアルを崩さない匿名性も大きな魅力。うまく言えないんですが、基本的にチープなサウンドなくせに時折ぞっとするような闇を感させる瞬間があって、そういうところに惹かれました。
 


26. Ariel Pink “Pom Pom” [4AD]
ariel-pink
 USインディ界の奇才による初のソロ名義作品。長いっていうか、散漫。でも「Not Enough Violence」あたりのチープなリズムと泣きたくなるようなメロディがたまらなくてやっぱ好きだ。「Lipstick」も最高。彼の音楽はメランコリックというのも違うんですよね。
 
 

25. Woods “With Light and With Love” [Woodsist]
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 牧歌的メロディとDIY感。タイトルトラックで豹変する姿はサイケデリック・ジャム・バンドとしての道にも通じている。

24. Steve Gunn & Mike Cooper “FRKWYS Vol.11: Cantos de Lisboa” [Rvng Intl]
stevegunnmikecooper
 豊潤なルーツ探求のアルバムであることは確かなのですが、レイドバックしたクラシカルなフォークを想像すると2曲目以降のアグレッシブな展開にびっくりすることになります。もはやノイズ・ドローンでしかない#3「Song For Charlie」をはじめエクスペリメンタルでドープなトラックの数々は、John Fahey に捧げるレクイエム。
 
 

23. Torn Hawk “Through Force of Will” [Not Not Fun]
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 ヒプナジゴック・ポップとしての完成度というよりは瞬間最大風速にやられたという感じで、とにかく抽象性から一歩具体性に踏み込んだ瞬間のトリップ感がたまらないアルバムでした(伝われ)。12月に Mexican Summer から同名義でもう1枚「Let's Cry and Do Pushups at the Same Time」というアルバムを出していましたが、そちらのほうは未だ咀嚼できず。何が違うのかわからないんだけど。
 


22. Jenny Hval & Susanna “Meshes of Voice” [SusannaSonata]
jennyhvalsusanna
 ノルウェーの才女2人がタッグを組んだ、ノイズやドローンに乗せて歌うエクスペリメンタル・フォーク・レコード。でも、もう僕が言いたいのはただひとつだけ。イェニー・ヴァルのほうにもっと歌わせろ。
 


21. Current 93 “I Am the Last of All the Field That Fell: A Channel” [The Spheres]
Current+93
 デヴィッド・チベット率いる実験的音楽集団。今作にはニック・ケイヴやアントニー・ヘガティ、ジーズ・ニュー・ピューリタンズのジャック・バーネット、ジョン・ゾーンなどのゲスト陣が参加しています。とはいえこのアルバムを聴いて僕が最初に受けたのは、非常にシンプルで洗練されたパーソナルな音楽だなあという印象で、決して大所帯感はありません。基本的にはピアノとボーカルが主体の弾き語りで、デヴィッドやアントニーのそれぞれ違うタイプに艶のある声が荘厳であったり呪術的であったりさまざまなイメージを喚起させます。中世ヨーロッパを舞台とした(本当は怖い)おとぎ話のサウンドトラックみたいな音楽だなと感じました。

20. Neneh Cherry “Blank Project” [Smalltown Supersound]
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 今年もっとも批評家筋に高い評価を得た1枚にセイント・ヴィンセントのアルバムが挙げられますが、ネナ・チェリーがソロ名義で実に18年ぶりにリリースした本作はいわば、その裏アクト的な聴き方ができると思います。トーキング・ヘッズがそうであったように、セイント・ヴィンセントが(デヴィッド・バーンとのコラボレーションを通過して)どこまでも白人的に奇形化したグルーヴを生み出していたその裏で、彼女はブラック・ミュージックに出自をもつ異形のアート・ポップを紡いでいました。フリージャズユニット、ザ・シングとのコラボ作「The Cherry Thing(2012)」とも全く異なる味わいを持つ独特なレコード。


19. Weyes Blood “The Innocents” [Mexican Summer]
weyes blood
 ガゼル・ツインも、ネナ・チェリーも、あとはイェニー・ヴァルも概ねそうだけど、今年は女性一人ユニット的なのに好きなやつが多かったです(これより上位にもバンバン入ってます)。一昨年くらいの僕ならシャロン・ヴァン・エッテンとかが入っていた枠をごっそり簒奪した彼女らの、共通の魅力は、どこかに感じるイミテーション感というか、裏アクト感でした。このワイズ・ブラッドことナタリー・マーリングの音楽はいわば、インディーSSW的な女性たちの音楽を、全てが裏返った鏡の中の世界からコピーしているような、そういう違和感だけで構成されている、という印象。「本当はこれ、男女混声インディーロックバンドのバックコーラスだけを録音したものなんじゃないか?」みたいな、本来なら中心にあるべき音が無い、みたいな。すごい適当なことを言ってますが。
 あと、何のエクスキューズも不要な超美人。
 


18. Marram “Sun Choir” [Transgressive North]
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 豪華ゲスト陣をお迎えしたデビュー・アルバムの割にはあんまり話題になっていませんでしたが、インディー・ロック好きには普通におすすめできる一枚です。緻密に積み上げられた各楽器の音の立体性とリズム・アプローチが素晴らしい。子供の声によるコーラスやストリングス・セクションはそのまんまスフィアン・スティーヴンスやオーウェン・パレットのそれを想起させます(と、いうかオーウェン・パレットが実際に参加している#5などはもはやオーウェン・パレットの曲といってよいのでは)。そして何より、ゲスト参加のジャーヴィス・コッカー(パルプ)が、燦々と輝く太陽のような圧倒的な存在感を放っています。



17. The War On Drugs “Lost In The Dream” [Secretly Canadian]
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 ディラン、スプリングスティーンらを承継した現代アメリカーナの代表として今年は各種クリティック・ポールを総ナメ状態の彼らですが、確かにそれだけの完成度だと思うし、ポピュラリティと批評的成功を両立できるこういうアーティストにはやはり期待してしまいます。何が好きかって、素晴らしいソングライティングはもちろんだけど大味にならない繊細なアレンジにちゃんとインディー感が残ってるところ。「Eyes To The Wind」の後半に入ってくるホーン・セクションとか素晴らしい。
 


16. Ryan Adams “Ryan Adams” [Pax-Am]
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 ライアン・アダムスのアルバムはこれで初めて聴きましたが、ウォー・オン・ドラッグスの今作と似ているなと思いました。ただ、こっちの方には先述したようなインディーっぽいニュアンスはほとんど無く、たとえば#2「Kim」の切なさときたら本当に最高なんですけど、後半にギュィィィ~みたいにギターソロ入るのはあんまり好みじゃない。あと#8「Feels Like Fire」とかその辺何曲かのリズムパターンは正直単調すぎて退屈。とか文句を言いつつウォー・オン・ドラッグスより順位が上なのは、ソングライティングがほんとうにもう桁外れに最高だったから・・・天才かよ・・・。もちろん声も素敵。



 とりあえず前半15枚をUPしてみました。
 続きはこちらから→2014年マイベストアルバム 15~1位 

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