Hospice

音楽の話がメインの日記帳です。

 2日目。9時頃まで熟睡したあと、しばらくホテルでグダグダして、お腹が空いてきたあたりで街へ出てみました。旺角のオススメグルメを調べると真っ先に出てきたのが、添好運(読めない)というミシュランで1つ星を貰ってるというお店。試しに行ってみると、店の前には順番待ちの人が大勢いました。が、1人だと伝えたらノータイムで通してくれました。相席システムだとお一人様には有利ですね。注文票に食べたいものを記入するシステムだったんだけど写真がなくてよくわからず適当にそれっぽいのを頼んだら出てきたのがこれ。
Hong Kong 057
 なんかメロンパンみたいな記事に甘く煮た肉が閉じてあるやつ。あと、レタスを茹でて醤油みたいなのをかけたやつも出てきました。お茶も合わせて35ドルなのですごく安い。美味しかったです。



 香港にもセブンイレブンがそこらじゅうにあったのですが、ビールが安かったですね。350の缶が7ドルくらいなので、フェス会場の7分の1くらいの値段。食べ歩きといえば、あちこちで見かけたエッグタルトを買ってみたけどこれは美味かった! サクサクのパイ生地にあったかい卵プリンが乗ってる感じ。3ドル。
Hong Kong 073

 ホテルに戻ってまたしばらくダラダラしたあと、2時頃に会場へ向かう。エントランスにいたラテン系っぽいスタッフが異様にハイテンションで、「Yeahhhhh!!」って言いながらメロイックサインを見せてきたかと思ったら、どうやら「リストバンドのチップをここにタッチしろ」の意でした。愉快でよろしい。「Enjoy! Hoooo!!」って言われて通されました。

 この日のみ参加の友人と合流し Gengahr というバンドを見る。知らない人たちだったけどMGMTっぽいサイケポップでいい感じだった。YourMam ステージという小さめの場所で。

 軽く小腹を満たすためフードコートをうろつき、中華のお店でチャーシューに甘い蜜を絡めたような串(30ドル)を買う。それを座って食べていたら白人のお兄さんに「どこで買ったん?」と訊かれたんだけどそんなに美味そうに見えたかしら。不味くはないけど、朝から甘いものばっかり食べてしまってちょっと違うのが欲しくなってきた……。
 お客さんはアジア系が5割に白人4割、黒人1割くらいの比率だったんだけど、特にアジア系のお客さんたちは基本的にみんなかなりファッショナブルで金持ちそうな感じ。ライブを見にというかレジャーとして来てる感じなので、ステージを見るにもあまりがっついてなくて、会場の雰囲気にはゆとりがありました。
 で、次は同じく YourMam ステージで Swarvedriver。なんだかんだで、オリジナルシューゲイザー勢のライブはマイブラもライドもスロウダイブも見てきたんですが、彼らもまたいい感じでした。最初はギターの出音が足りなくてガチャガチャしてたんだけどすぐ持ち直してギャンギャン撒き散らしてた。もっと遅い時間に観たかった。あと、暑かった……。JAMC の来日は…どうしようかな…(とか言ってるとチケット無くなるのかな)。 

 すぐに Julia Holter が始まるので ATUM へ移動。日陰に座ってのんびり観てたけどいい感じでしたね。何が良いって声ね。ちょうど西日がキツい時間帯で、ステージ上の人がいちばん眩しそうだった。

 ここからは Harborflap に移動して、The Skatalites。フジロックにも来てましたがそのときは見てないし、そもそも僕はスカとかレゲエとかこの手のアクトのライブを見るのはたぶん初めてでした。夕暮れにラッパの音が合うしたくさん踊りました。

 次の Earth, Wind & Fire Experience feat. Al Macky に備えて腹ごしらえ、ラム・タコとかいうやつを買ってみました。これは69ドルだったんですが、70ドルから1ドルだけ引かれても端数がリストバンドに余っちゃうのでやめてほしいな。笑 ピクルスと唐辛子がいいアクセントになってて美味しかった~! そしてこれは昨日のカレーと違って常識的な量でした。というか、値段を考えると少し少ないかな。
Hong Kong 093

 ところで、このフェスのトイレ事情について。キャパシティに余裕があるのでトイレの数も十分なのですが、導線がないのでうまく並ばないと無駄に長時間待つことになりました。仮設トイレそのものはフジに置いてあるやつより綺麗なのですが、夕方以降になると紙が詰まり気味で、汚物が流れていないものも……。ただし流している水に大量の芳香剤が入っているようで、どのブースも臭いだけはフローラルでした(笑) ほとんどが洋式で、一部和式もあり。また、洋式トイレに加えて同ブース内に男性用小便器も付いているものも多かったのは、むしろ清潔で良かった気がする。

 で、EW&Fのニセモノを観ました。本家を見たことがないので比較は出来ないけど十分ファンキーで超楽しかった。もうそれしか言うことないな。もちろんセプテンバーも。ただしこの後のリバティーンズに備えて体力は温存気味で。

 ホットドッグ、確か60ドル。ソーセージ部分はめちゃ美味しかったけどパンがバサバサだったので、ソーセージだけ(40ドル)で頼めばよかった……まぁ売り子のお姉さんが可愛かったのでいいです。
Hong Kong 100

 裏でやっている Ratatat に移動するという手もあったけど、リバティーンズに備えてメインステージ待機。Hocc(何韻詩)という地元のポップシンガーがトリ前でした。銀髪ベリーショートのかっこいい系お姉さんという感じ。せっかく香港に来たんだから、地元のアーティストも少しは見なきゃと思ってたのでちょうどよかった。他の曲は知らなかったけど、デヴィッド・ボウイの「Space Oddity」をストレートにカバーしていました。


 そして、The Libertinesだ。今回の香港行きは、リバティーンズを見るためなのです。他のアーティストのレポは適当だけどここだけちょっと細かく。

 定刻より2分ほど早くメンバーが登場(びっくり!)。間髪入れず「Horrorshow」からスタート! うわぁ期待通り演奏ガタついてる~とか思いつつも、1曲目にパワーチューンは正道なのでみんな盛り上がる。立て続けに「The Delaney」なんだけどこれは意外にみんなコーラスの〈No No No!〉〈Yeah Yeah Yeah!〉は静かめだったなぁ。「Vertigo」でさっさくマイクシェアを披露すると黄色い歓声(そして一斉にみんなスマホを掲げる)。
 続けて「Can't Stand Me Now」のベースラインでまた歓声。2010年の再結成のときはそんなことなかったと思うんだけど、最近はこの曲とか「Don't Look Back~」はライブでやるときやたらテンポ遅いですよね。客みんなが歌いやすいようにしてるんだろうか。もっと早くやってほしいなぁ……。でも、ピートとカールの交差するギターの音とか、仁王立ちして仲間外れみたいになってるジョンとか、ぶっちぎりでハイテンションなゲイリーとか、ああ、何度も何度も映像を見てきた人たちがそこにいるなぁ、という、感動じゃないけど、感慨というか、非現実感というか。そしてステージ上のリバティーンズは思っていたよりはるかにファンサービス過多で、ひっきりなしにくっついてるフロントマン二人は一部ファンに求められるBL感を面白がって演じてる感じがした。アウトロに入ってから「ピート!早くハーモニカ準備しろ!」との僕の念波もむなしく、ハーモニカ入るのが完全に遅れたのが残念です。笑
 「Fame And Fortune」のリフでここまで一番の大歓声が上がったのはわりと謎ですよね。香港人、むしろ最新作しか聴いてないみたいな人けっこういたんだろうか。「Time For Heroes」はみーーんな歌ってました。
 個人的にここは最高だなーと思ったのがゲイリーのドラムソロからの「Begging」。およそこの世の名盤というものは聴けば聴くだけ発見があるものですが、この曲のインスト部分をこの1年くらい何度も聴き返しては惚れ惚れしています。ライブでもこのあたりはキレッキレでした。ドラムが目立つ部分だけは、リバティーンズでも安定して聴けるという。そういえばこの曲をやってる最中、カールの吸っているタバコをピートが奪い取って吸ってたところ、笑っちゃうくらい黄色い歓声が上がってました。あざといなぁと思いました。笑
 「What Katie Did」も当然のシンガロングが起こり、なぜか新曲大好き Clockenflaper たちの「Gunga Din」への大歓声。
 次の「Boys In The Band」「The Ha Ha Wall」、やっぱ演奏がチンタラしてて残念なんだよなぁ。特に「Ha Ha Wall」のリフはリバティーンズでも一、二を争うくらい好きなだけに、違和感だらけでいまひとつノり切れなかった……。「Last Post On The Bugle」はやると思ってなかったから嬉しかった。で、「Death On The Stairs」なんだけど、どう考えてもここの歓声少ないよ!笑 1音目からドカンといって然るべきでしょ! 最高だったわ! 最高だったけど、これでもかと繰り返されるマイクシェアにちょい食傷気味というか、マイク1本だとボーカルがあんまり拾われなかったりして。盛り上がるからいいんだけども。この曲は最高だからいいんだけども。
 ラストに披露された2曲「Tell The King」「The Good Old Days」は、「Begging」とあわせて再評価されてもいい名曲だと思う。一筋縄でない曲展開と、早熟な諦観と愛と衝動が入り交じる歌詞("You're like a journalist/How you can cut and paste and twist" とか、"If you've lost your faith in love and music/Oh the end won't be long"とか…)。リバティーンズのニューアルバムに「正解」なんて無いことは、10年以上も前から彼らにはわかっていたけども、でも彼らの新章はこの辺りの楽曲からの延長にあると感じました。

  
 「Good Old Days」のラストにピートがアコギを客席にぶん投げてしまったので、アンコールでの「Music When The Lights Go Out」はどうすんだろう・・・?と思ってたけどちゃんとやってくれました。オマケにデヴィッド・ボウイの「Changes」を半分ネタくらいの感じでカバー。今日はボウイのカバーをよく耳にしました。
 「Don't Look Back Into The Sun」と「What A Waster」で全部おしまい。本来のセットリストには「I Get Along」が入っていたようでこれも聴きたかったけど、十分満足です。

 1. Horrorshow
 2. Delaney
 3. Vertigo
 4. Can't Stand Me Now
 5. Fame and Fortune
 6. Time For Heroes
 7. Begging
 8. What Katie Did
 9. Gunga Din
 10. Boys In The Band
 11. Ha Ha Wall
 12. Last Post On The Bugle
 13. Death On The Stairs 
 14. Tell The King
 15. Good Old Days
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 En1. Music When The Lights Go Out
 En2. Changes (David Bowie Cover)
 En3. Don't Look Back Into The Sun
 En4. What A Waster




 リバティーンズの11年ぶりのニューアルバムは、リバティーンズが新作を出した、それ以上でも以下でもなくて、このブログにも何かしら感想をまとめようと思ってはいたものの何一つ言葉が浮かんでこなかった、そんなレコードでした(それに対して言葉を尽くした素晴らしいレビューはこちら)。何だか、この日の「Fame And Fortune」への歓声と、そこへの違和感で、何となく僕の中で一つ大きな区切りがついたなと思いました。去年 Arcade Fire を見たときにも思ったけど、「こんなに凄い体験をしてしまったら、もう他では満足できない」というのは、(掛け値なしに羨ましいけども、)悲しいことなのかもしれない。そうならなくて良かったのかも。
 『Up The Bracket(曲名でもありアルバム名でもある)』に死ぬほど魅了されたときに「音楽を聴き始めてまだ本当に日が浅いけど、もしかしたら今おれは、一生追いかけていけるアーティストに出会えたのかもしれない」と思ったときの感動はずっと忘れないし、10年余り経ったけどもそのときの直感が概ね間違っていなかったことは素直に嬉しいなと思います。
 ただ、今もやっぱり死ぬほどリバティーンズが好きだけど、そこから広がった世界の方が、今となっては美しく感じるのです。『Up The Bracket』とか『The Chronicles of Life and Death』にハマっていた頃に比べると、思えば遠くに来たもんだ、みたいな音楽ばかりを聴いている今日このごろです。僕にとって今回の旅は、その出発点への恩返しというか、変な比喩を使えば、借金を完済したような、そんな清々しい気分にさせてくれたので、本当に心から行ってよかったなあと感じています。まだまだ音楽に飽きることはなさそうだなぁと思うと嬉しいです。


とか締めみたいになってしまったけども、まだ3日目があります。(続)

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