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音楽の話がメインの日記帳です。

2015年のマイ年間ベスト、後半!
前半はこちら→30-16位


15~11位。みんなー!


15. Archy Marshall "A New Place 2 Drown" [XL / True Panther]
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 Zoo Kid でも King Krule でもでもなく、本名のアーチー・マーシャル名義でのリリース。あるいは彼の参加していたヒップホップ・プロジェクトとして Sub Luna City というのもあったけども、今そちらを聴き返すと全然レベルが違う。『6 Feet Beneath the Moon』収録の「Neptune Estate」を経て、ビートと非ビートで自由に語るすべを身に着けたというか、やはり彼の本質はビートメイカーでもラッパーでもなくシンガー・ソングライターなのだなと思った。でも、だからこそ僕は彼に、ギターを持っていてほしいなとも思う。【Listen】【Shop】

14. The Internet "Ego Death" [Odd Future]
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 最近初めて聴きました。ソウル。脳ミソを直接ノックするような優しいビートとシルキーな声に密室感を感じてドキドキする。ジャネル・モネイをフィーチャーした曲も最高。【Listen】【Shop】

13. Maribou State "Portraits" [NInja Tune / Counter]
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 僕にとって、この Maribou State の湿ったスクウェアなグルーヴさえあれば大抵のハウスミュージックは不要。Jamie xx、良かったけどごめんなさい。【Listen】【Shop】

12. Kendric Lamar "To Pimp A Butterfly" [Interscope / Aftermath / Top Dawg]
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 あえて上半期のベストからは外しちゃったものの、やっぱこれ入れなきゃ嘘でしょ。要するに時代を代表する名盤というヤツです。このレコードのせいで各メディアの2015年年間ベストリストがどれだけつまらなかったか。【Listen】【Shop】

11. The Antlers "In London" [Transgressive]
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 アナログ限定でリリースされたジ・アントラーズ初のライブアルバム。フォーク→ドリームポップ→スロウコア、とスタイルを微妙に変化させながら歩んできたこの愛すべきバンドの最良の姿が、最良の形でパッキングされています。これが1位でも何の支障もないんですけどね。面白くないもんで。【Listen】【Shop】
 
 

いよいよトップ10!


10. Lonelady "Hinterland" [Beat / Warp]
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 まずは1曲目「Into The Cave」を聴いてみて! ……と思ったらネットにはライブ音源しか無かった。とりあえずそれでもいいです。必要最小限の音なのにとってもカラフルで、ダビーな処理もカラッカラな太鼓の音もジュリー・キャンベルの声も全てが完璧。そう、ラプチャーやフランツが更新するよりずっと前から、はじめからポスト・パンクはダンスミュージックだったのだ。
 アルバムの流れも文字通り「洞窟の中へ」とばかりにどんどんドープになっていって欲しかったのだけど、2曲目以降はやや陽性に揺らいでいくのがちょっとだけ残念。でも、それはそれで21世紀のリジー・メルシア・デクルー的なフィーリングもあってカッコイイ。【Listen】【Shop】
(※2月末まで期間限定で国内盤が1,000円ですよ!)

9. FKA twigs "M3LL155X" [Young Turks]
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 音楽の抽象度の高さと相反するように、MVやライヴの視覚情報はどこまでもフィジカルだった昨年の『LP1』をおおむね継承しつつも、比較的「ソング」として身近になった感もある新作EP。たった5曲でも十分な聴き応えです。【Listen】【Shop】

8. Courtney Barnett "Sometimes I Sit & Think & Sometimes I Just Sit" [Mom & Pop / Marathon Artists / Milk!]
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 新世代ギター・ヒロインとしてスターダムに躍り出た感のあるコートニー・バーネットの、期待を裏切らないデビューアルバム。しっかりいい曲を揃えてきたのはもちろん、やっぱこの矢継ぎ早に繰り出される歌詞のリズムに天才を感じる。「Avant Gardener」で出てきたときはまさかこんなになるとは思わなかった。音楽はもちろん、佇まいやキャラクターも含めてマスにアプローチできて、かつヒップでもあるこういう人のことは絶対に応援したい。来日公演に行きそびれたのでフジロックあたりに来てくれ!【Listen】【Shop】

7.  Sufjan Stevens "Carrie & Lowell" [Asthmatic Kitty]
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 懐の匕首こそが一番鋭いというか、この人は余計な装飾がなくともこんな名盤を作れる人なのだ、ということをこれ以上ないくらいにスマートに証明してみせた。あと残った課題は来日公演だけですのでよろしくお願いしたいところ。【Listen】【Shop】

6. Deerhunter "Fading Flontier" [4AD]
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 前作『Monomania』に戸惑った人も多かったけど、本来は、あっさりとシューゲイズを辞め、どこからも借り物のない音楽を作り始めた『Halcyon Digest』で戸惑うべきだったんじゃないか? そんなことを思いながら、ブラッドフォード・コックスが舌禍を振り撒いてどんどん孤高の奇人になっていく姿を眺めていた年でした。アトラス・サウンド名義でやればよさそうな「Lether and Wood」が入っていることにも、ブラッドフォードのバンド内支配力の高まりを感じる(『Monomania』における「Nitebike」よりもさらにバンドを巻き込んでいる)。そしてそれが、なんの不協和も産んでいないのが驚くべきところ。【Listen】【Shop】


5. Jenny Hval "Apocalypse, girl" [Sacred Bones]

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 いきなり男根のメタファーから始まり、「ソフト・ディック・ロック」と自称するこのアルバムに通底するのは、数々の文学作品からの引用にはぐらかされた皮肉の嵐である。今年のベスト・トラックのひとつ、「That Battle Is Over」について彼女は「カラオケで歌ってるみたいなサウンドにしたかった」と語っているが、つまりそれは「統計や新聞によれば私は不幸せで死にかけてる/夫と子供がいなければ満たされることはないと」という歌詞に対する痛烈なアイロニーだ。パーフェクト・プッシーやスリーター・キニーは、パティ・スミスがかつてそうしたように、男性からパンクの権利をもぎ取った。かたやこのイェニー・ヴァルの歌うフェミニズムは、パティ・スミスの「パンクの女王」ではないほうの側面にほかならない。【Listen】【Shop】

4. cero "Obscure Ride" [kakubarhythm]

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 フジロックで初めてライブを見たのですが、正直、本気で感動して泣いてしまった。2015年、音楽聴いてこんなに感動したのは彼らと、その数時間後のライアン・アダムスのライブだけです。シングルリリースが去年でなかったら、今年の年間ベストトラックは「Orphans」で良かった。【Listen】【Shop】

3. Girl Band "The Early Years" & "Holding Hands With Jamie" [Rough Trade]

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 EPとアルバムどっちも入れたかったので、ひとつにまとめちゃいました。ラフ・トレードからデビューした個人的ベスト・ニューカマー。見事に起伏と緩急をつけた挨拶代わりのEPも最高でしたが、年内にリリースされたフルレングスはまさに「一太刀でぶっ殺」しにきた感じ。それはそれで最後までダレないか心配していたけど、さながら『怒りのデス・ロード』よろしく、一本道でもねじ伏せるほどの強度があった。ついでにMVも最高です。ライブが観たい。【Listen】【Shop】

2. The Libertines "Anthems For Doomed Youth" [Harvest / Virgin EMI]
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A「リバティーンズがアルバム出したのは、人生におけるひとつのイベントだよね、普通に」
B「うわ、ブログで妄想対談始まった。ツイッターで馬鹿にされるぞ」
A「今回だけ許して。リバティーンズに関しては俺の中に二人いるの。で、いきなり本題だけど、実際リバティーンズの新譜出るって聞いても全然期待してなかったでしょ? おれは『Gunga Din』が公開されたとき正直もうだめだなって思った。聴いてみてどうだった?」
B「2ndまでとは比べるまでもないよね。でも僕は傑作とまでは言えないまでも良かったと思うよ。ちゃんとリリックと対訳読んだ? 『Heart Of The Matter』でライミングだけでグルーヴを作ってくセンスはやっぱすごいと思った。」
A「えー、『Heart Of The Matter』とか一番だめじゃん。『Horrorshow』の劣化にしか聴こえない。まだ『Barbarians』のほうがマシ」
B「確かにギターは『Heart Of The Matter』が一番つまんない(笑) でも総じてリリックはレベル高いよ。『Iceman』の、ドラッグ禍で無駄にしたもう戻らない日々への呻き声を聴いてると胸が締め付けられてくる」
A「歌詞しか褒めるとこないのかよ。おれは一番いい歌詞書いてるのは『You're My Waterloo』だと思うな。"お前はおれがナイフを抱いて寝た唯一の恋人" なんてフレーズ、向けられた相手が仮にカールでなくても泣ける。ただ、この曲は再結成後に書かれた曲じゃないしね。『Iceman』は最後の派手な展開がホント最低。アルバム全体を通してオーバープロダクションだと思うけどなかでもこれが一番やりすぎ」
B「たしかにそれは否めないね……。でもこのアルバムを批判するときに『プロデューサーがダメ』って言ってもさ、それってもう触れたら負けな部分じゃない? ジェイク・ゴズリングを選んだのは彼ら自身だし、そもそもその前に名前が上がってたのはノエル・ギャラガーだよ? 」
A「でもダメなもんはダメだよ。……そういえば、このアルバムはデラックス・エディションで買った? ボーナストラックは昔の曲ばっかりなんだよ」
B「勿論。そしてこれがびっくりするくらい良かった。本編より良かったかも」
A「いやいや、『かも』じゃなくて、本編の100倍良いでしょ。一番いい曲書いてた頃の曲だから良いのは当然なんだけど、曲の良さにタダ乗りしてるわけじゃなくて、ちゃんとレコーディングすれば今でもこんなに良いんだっていう。ギタープレイだけみれば、本編で言うと『Glasgow Coma Scale Blues』はいいとこ行ってるけど、それよりずっと良いし、ニュアンスが余計なもので塗りつぶされてないんだよね。やっぱりリバティーンズはグルーヴのバンドなんだと思ったよ」
B「皮肉なもんだけど、僕もそれには同意だな……。ボートラに入った途端、余計な音が消えるんだよね。それが僕には、『Dead For Love』で着せられた服をパッと脱ぎ捨てて、肩の力を抜いて『Love On The Dole』をやり始めてるっていうふうに聴こえるんだ。ジェイク・ゴズリングを悪者にしたいわけじゃないけど、何だかんだ10数年も付き合ってきてる4人が4人だけで、セッションの延長で昔の曲やってみた、みたいな。そんで最後の『Over It Again(日本盤ボーナストラック)』では、『おい! お前も歌えよ』ってカールが隅っこのジョンを引っ張ってくるの。リバ名義のリリースでジョンがメインボーカル取るの、たぶん初めてだよね? これ、どっからどう聴いてもイエティ(ジョンのバンド)の曲なんだけど(笑)」
A「その妄想、『Lust Of The Libertines』の冒頭のイメージに引っ張られすぎてない? お前、感情入りすぎてて気持ち悪いな。 ……でも確かに、可愛さ余ってじゃないけど、おれも必要以上に厳しい目で見ちゃってるとこはあるかもしれない。好きだからこそ欠点ばかり目についてるのは間違いない。『Iceman』だってラストのダサいウォール・オブ・サウンド以外は大好きだし、香港まで再結成ライブ見に行っておいてアルバムには文句タラタラってのもみっともないよな。いいよ、認めるよ、何だかんだ言ってこのアルバム、好きだ。少なくとも、ボートラの部分だけ聴いたら名盤認定で良いって思えるし」
B「うん、僕も素直に好きだ。あと僕は……なんだろう、ただ単に意地なんだよな。ランキング作って、その中途半端な、たとえば13位、とかにリバティーンズを置くなんて絶対に出来ないっていうか……。そんなんだったら30位にも入れない方がマシだ。タナソーじゃないけど、そんなチャートは僕が見た2015年じゃない」
A「でもここ、2位でしょ? 1位どうすんの。当たり前だけど、年間1位は年に1枚しか選べないんだよ」
B「そりゃ、1番好きなアルバムを1位にするよ」



1. OGRE YOU ASSHOLE "workshop" [P-VINE]
OgreYouAsshole
 妄想脳内対談おわり。いま僕が世界一だと思っているバンドの集大成だと思うので、これが2015年のベストアルバム。こんなに最高なライブアルバムなのに、もう次が聴きたくてしょうがない。【Listen】【Shop】



◆The 10 Best Tracks of 2015
(※曲名から試聴リンクへ)

10. Soldiers Of Fortune feat. Stephen Malkmus / Campus Swagger [from "Early Risers"]
9. Courtney Barnett / Dead Fox [from "Sometimes I Sit & Think & Sometimes I Just Sit"]
8. Jefre Cantu-Ledesma / Love After Love [from "A Year With 13 Moons"]
7. Vilod / Safe In Harbour [from "Safe In Harbour"]
6. Destroyer / Dream Lover [from "Poison Season"]
5. Alabama Shakes / Don't Wanna Fight [from "Sound & Color"] 
4. Lonelady / Into The Cave [from "Hinterland"] 
3. Beach House / Sparks [from "Depression Cherry"] 
2. Jenny Hval / That Battle Is Over [from "Apocalypse, girl"] 
1. Girl Band / Why They Hide Their Bodies Under My Garage? [from "The Early Years"] 



◆The 5 Best Live of 2015


5. Sun Kil Moon @ Shibuya Club Quattoro (3/17)
4. FKA twigs @ Fuji Rock Festival '15 (7/26)
3. Chic feat. Nile Rodgers @ Clockenflap '15 (11/29)
2. cero @ Fuji Rock Festival '15 (7/26)
1. Ryan Adams @ Fuji Rock Festival '15 (7/26)




映画を見まくってたせいで相対的に音楽にかける時間は減ったけど、去年も楽しかったなー! ちなみに2016年の目標はギターを始めることです。誰かギターの選び方から教えて下さい。ではでは、今年もよろしくお願いします!

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