近況報告的な何か



 まずは、最近聴いてる音楽とか。

◆LionLimb "Shoo"

 「エリオット・スミスが好きならこれもオススメ!」という紹介のほぼ全てに「そういうことじゃないんだよなあ」と思ってしまう皆さん(私を含む)、これはどうでしょう。もはや『XO』『Figure 8』期=晩年のエリオット・スミスのパロディ、いやモノマネと言ってもいいかもしれないアルバムです。コーラスワークや不安定な歌唱含め、声が清々しいくらいエリオット・スミスそのもの。ちょっとベースがブイブイうるさいけど、生前の未発表音源ですと言われれば信じる人もいそうな出来です。 

 でもこれがなかなか、というか普通に良いんだよな。最近リリースされた「Heaven Adores You」のサウンドトラックと交互に聴いてみてはいかがでしょうか。僕はそうやって聴いています。
 
 
◆Field Music "Commontime" 
 質感としてはスティーリー・ダンみたいな端正さがあるんだけどかなりプログレッシブなリズム感があって、かつ殆どの曲が3分前後というポップスのフォーマットど真ん中にあるというちょっと面白いアルバムでした。これがデビュー作ってわけでもなのにいまさらなツッコミですが、何だよフィールド・ミュージックって名前。



◆Let's Eat Grandma "Deep Six Textbook / Sink"

 イングランドはノリッチの少女二人組ユニット、レッツ・イート・グランマ。ようやくデビューが決まったようです。シングルが2曲、まずお披露目されています。「Deep Six Textbook」のほうは初期スロウコアのようなミニマルでドリーミーな曲調にオルガンっぽい鍵盤の音、イェニー・ヴァルを思わせるロリ声のコーラス、そして冒頭のハンドクラップ(PV見て!)が最高。まあこの曲に惚れてずっとリリースを心待ちにしていたのでこれが気に入るのは必然なのですが、もう一曲の「Sink」のほうが結構おどろきだった。というのも、さっそくヒップホップ化している。今後も Transgressive から何かリリースがあるはずなので、どんな風に予想を裏切ってくれるのか楽しみです。




 ここからは最近見た映画で好きなものメモ。

◆スティーヴン・スピルバーグ『ブリッジ・オブ・スパイ』
 今年スクリーンで観たものの中では今のところこれがベストかなー。『007』『キングスマン』『MI』とスパイ映画は去年も大人気でしたが、スタイリッシュなアクションも予想を裏切るトリッキーな展開もなく、ひたすら腰を据えた交渉と折衝だけを描いてこれだけエンターテイメントになるんだからすごいなと思いました。
 法廷シーンがある映画がけっこう好きで、ジョナサン・デミ『フィラデルフィア』とか、最近観た中ではオットー・プレミンジャー『或る殺人』がめちゃくちゃおもしろかったです。ただ、この映画における法廷とは、より大文字の正義を実現するためのいち手段だという側面が強かったとは思いますが。



◆ルイス・ブニュエル『欲望のあいまいな対象』
 1977年フランス/スペイン。富豪の中年男性が、使用人として雇った若い女に一目惚れして追っかけまわす。女性はときに愛を受け入れときに突き放したりと忙しいのだけど、セックスだけは許さない、でもおっさんはどうしてもヤリたい……という話を、たまたま特急列車に乗り合わせた乗客との会話の中で回想するという映画。シュールレアリズムとか言われてピンときた試しはなかったのですが、この映画はおもしろかった。日本人が使ういわゆる「シュール」な部分は確かにあったけど、基本的に気の狂った男女のドタバタコメディなので最後までゲラゲラ笑いながら見られました。着物を繕うシーンの直後のあのラストはめちゃくちゃすごいしめちゃくちゃ笑った。

コメント

 コメント一覧 (1)

    • 1. エリオットフリーク
    • 2016年03月07日 18:35
    • LionLimbいいっすね!
      めっちゃいいっすね!
      確かにエリオットっぽい!笑
コメントフォーム
評価する
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット
  • 1
  • 2
  • 3
  • 4
  • 5
  • リセット