2016年に観た映画のマイ・ベスト・ランキング。
2016年に日本公開されたもの(新作)とそれ以外(旧作)でそれぞれ10作ずつ選びました。


 
2016年新作映画ベスト10

10. シン・ゴジラ(日本)
監督:庵野秀明
shin-godzilla

9. キャロル [Carol](アメリカ)
監督:トッド・ヘインズ
carol-rooney-mara

8. この世界の片隅に(日本)
監督:片渕須直
konoseka

7. オデッセイ [The Martians](アメリカ)
監督:リドリー・スコット
themartian

6. ハドソン川の奇跡 [Sully](アメリカ)
監督:クリント・イーストウッド
SUL-17

5. シング・ストリート 未来へのうた [Sing Street](アイルランド/イギリス/アメリカ)
監督:ジョン・カーニー
singstreet

4. スポットライト 世紀のスクープ [Spotlight](アメリカ)
監督:トム・マッカーシー
spotlight

3. トランボ ハリウッドに最も嫌われた男 [Trumbo](アメリカ)
監督:ジェイ・ローチ
trumbo

2. ヘイトフル・エイト [The Hateful Eight](アメリカ)
監督:クエンティン・タランティーノ
thehateful8

1. ブリッジ・オブ・スパイ [Bridge Of Spies](アメリカ)
監督:スティーブン・スピルバーグ
bridgeofspies

 2016年、映画館で鑑賞したのは40作ほど。次点は『ズートピア』『怒り』『マジカル・ガール』『FAKE』あたりでしょうか。特に心に残ったのは『ブリッジ・オブ・スパイ』と『ハドソン川の奇跡』で、それぞれスピルバーグとイーストウッドという超の付く巨匠による新作ですが、トム・ハンクス主演という共通点を差し引いても共振する部分が多かったように思った。つまり、ある危機に直面したプロフェッショナルが、奇をてらうことなく真正面から立ち向かうということ。これは『シン・ゴジラ』もそう。ダーク・ヒーローやアンチ・ヒーローが存在感を強めているのはフィクションの世界も現実の世界も同じだけども、映画界からのひとつのアンサーがこれかなと。
 まあそんな話は抜きにして、上記のランキングは純粋に僕が楽しめた順です。特に『トランボ』は、社会派に作ればいくらでもそうできたはずだけど、徹底的にエンタテイメントなタッチだったのが素晴らしくて、ラストは爽やかに涙が出てきた。『ヘイトフル・エイト』は待望のタランティーノ新作。10作撮ったら映画監督は引退する、と言い続けている彼ももう8作目を公開してしまった……。一つ一つをじっくり味わおうと思います。
 2017年は『ゴースト・イン・ザ・シェル』のリメイクと『ブレードランナー』の続編が公開されるという恐ろしい年になりそうです。両作とも楽しみ。とりあえずはルパート・サンダースの『スノーホワイト』、ドゥニ・ヴィルヌーヴの次作『メッセージ』を観て備えようと思います。





2016年旧作映画ベスト10

10. Mの物語 [Histoire de Marie et Julien](2003年・フランス/イタリア) 
監督:ジャック・リヴェット
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9. 偽りなき者 [Jagten](2012年・デンマーク)
監督:トマス・ヴィンターベア
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8. 許されざる者 [Unforgiven](1992年・アメリカ)
監督:クリント・イーストウッド
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7. 招かれざる客 [Guess Who's Coming To Dinner](1967年・アメリカ)
監督:スタンリー・クレイマー
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6. 麻雀放浪記(1984年・日本)
監督:和田誠
麻雀放浪記

5. 特攻大作戦 [The Dirty Dozen](1967年・アメリカ)
監督:ロバート・アルドリッチ
thedirtydozen

4. 特別な一日 [Una Giornata Particolare](1977年・イタリア)
監督:エットーレ・スコラ
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3. ブラッド・イン ブラッド・アウト [Blood In Blood Out](1993年・アリカ)
監督:テイラー・ハックフォード
bloodinbloodout

2. 激怒 [Fury](1936年・アメリカ)
監督:フリッツ・ラング
FuryLang10

1. わらの犬 [Straw Dogs](1971年・アメリカ)
監督:サム・ペキンパー
strawdog

 自宅鑑賞はだいたい450作くらい。次点は吉田喜重『秋津温泉』、原一男『ゆきゆきて、神軍』、ルイス・ブニュエル『ビリディアナ』あたり。
 個人的オールタイム・ベスト一作に加えたい『わらの犬』、主演のダスティン・ホフマンが凄まじい。いったい「暴力」とは何なのか、映画人生を通してバイオレンスに向かい続けたペキンパーだからこそ撮れた壮絶な傑作。
 フリッツ・ラングの『激怒』においては、スピルバーグやイーストウッドに連綿と受け継がれるアメリカ映画の永遠の主題、正義と法がメロドラマの形式を借りて映し出される。善悪は常に入れ替わるということ。荒削りな部分もあるが熱量がそれを上回る。
 『ブラッド・イン ブラッド・アウト』は『愛と青春の旅だち』のハックフォード監督による隠れた名作。メキシコとアメリカを跨ぐアイデンティティにもがきながら、3人の男が戦い続けるこれまた濃厚な傑作。
 全体的に男臭い映画が多い中で、『特別な一日』の美しさにはやられた。ごく狭い範囲のごく少ない登場人物だけで立体的に構築される脚本、動線、演出、全て完璧だった。ジャック・リヴェットの『Mの物語』の描く生死の曖昧さにも美しさを感じた。
 それと、2016年は久しぶりに連続ドラマを観たりしました。と言ってもNetflix オリジナルドラマ『ゲット・ダウン』と『ストレンジャー・シングス』のみですが。両作ともめちゃくちゃ面白く、第2シリーズ以降も楽しみです。

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